3億円のキケンな恋

元々人数の少ない本屋さん。


休憩室に来た所で、私以外誰も居なかった。



お昼ご飯は、朝の残りのホットケーキ。


机について包みを開けると、すぐそこに置いてあったテレビのリモコンを取りスイッチを押した。


目の前の小さなテレビが、お昼のワイドショーを映し出していた。



「おや、相沢さん。
お昼ご飯はそれかね」


休憩室に店長さんが入ってきて、私のホットケーキを指して言った。



「あは。今日はちょっと簡単で…。
店長さんはお昼ご飯は?」



「ぼくはね、家に帰っていただくんだよ」



そう言ってロッカーからカバンを取り出して車のカギを出して見せた。



「じゃあ、また後でね」



店長さんは従業員用出入り口から外に出て行った。


…店長さんは車で来てるんだ。

あれ?

朝来た時、従業員用駐車場に停まってた車って…あの白のワゴン車だけだったような…?