3億円のキケンな恋

朝の9時。


いよいよお店がオープンする。


本屋さんの仕事はレジ対応はもちろんなんだけど、入荷や在庫管理、予約注文、それからお客さんに本を手に取ってもらえるような工夫なんかもしなくちゃならない。


まだすぐには覚えきれないが、ゆっくりぼちぼち教えられながら覚えていった。



「いらっしゃいませ。
はい、420円です。
ありがとうございまーす」



本屋さんの雰囲気はゆったりしていて、時間が経つのは遅く感じる。


早く仕事が終わって、今日は色々したいのになぁ…。




平日の本屋さんは、そんなに忙しくなかった。


だけど、初めての環境に早く慣れようとパソコンやファイルを見ていたら、それなりに時間は潰せた。


途中からパートの主婦の方が入ってきたので、少しお話もしてもらった。




やがて、時間は13時になりお昼休みになる。



「相沢さん、お昼に行って下さい。
その間はわたしがレジいますから」



「はぁい」



職場の雰囲気はとっても良い。


初日から連休したから嫌な顔とかされるかと思ったけど、全然そんな事ないや。


私はパートの人にレジを代わってもらい、従業員用休憩室に戻った。