3億円のキケンな恋

朝ご飯の片付けは済んだし、仕事に行く為のお化粧や身支度は済んだ。


ケータイの充電は完了してたので、コンセントを抜いてショルダーバッグに入れた。


テレビの時計を見ると、8時過ぎた所。



「じゃ、私仕事に行ってくるね」



「あぁ、頑張れよ」



「ご飯は仕掛けといたから、お昼はお茶漬けか何かでしのいでくれる?」



「…俺の事は気にすんなよ」



「晩ご飯は、ちゃんとしたお料理作るからね」



「………………」



お仕事は、8時半から夕方の5時まで。


でも今日はその後、食材の買い出しに行ったり、強盗さんの服とか衣料品も買ったりしなきゃね。


買う物が多いから、お昼休みにお母さんからの仕送りちょっぴり下ろそうかなぁ。


て言うかあの銀行、もう普通に営業やってるのかな。



「強盗さん。私がいない間、誰か来てもドア開けちゃダメだよ」



「わかってるよ、うるせーな」



「じゃ、行ってきまーす」



玄関のドアを開けて外に出ると、中から強盗さんに見送られながらドアを閉めてカギをした。


強盗さんを家に1人にするのは不安だけど、仕方ないもんね。



とりあえず、ようやく出だしの遅れた新社会人生活がスタートしたのだ。

私はちょっぴり胸をワクワクさせながら、職場に向かった。