3億円のキケンな恋

何の文句も言わないで、水だけで作ったホットケーキとコーヒーの朝ご飯を食べてくれた強盗さん。


私も一緒に食べてコーヒーで、もうお腹いっぱいになる。




適当に片付けた後、私は服を着替えて昨日干した強盗さんの服を取り込む。



「うん、まぁまぁ乾いてるよね」



「そうだな。
いい加減何か着ないと、ずっと毛布じゃな」



この強盗さんの服は、犯行当時のものと同じ。


南は1人で勝手に着替えたりしたみたいだけど、いくら家から出ないだろうったって、犯行当時の服をずっと着させるわけにはいかないわ。




「私、今日から仕事行くね。
もう初日からずっと休んでるわけだから…さすがにこれ以上はクビになっちゃう」



「仕事って、何やってるんだったっけ?」



「本屋さんの店員だよ。
やってるって言うか、今からやるって感じなんだけど」



…本当なら、その隣の銀行に勤める筈だったんだよって事は、強盗さんには黙っとこ。