3億円のキケンな恋

私と強盗さんの出会いは間違いなく事件の中であり、尚且つ事故である。


本来なら好きになる筈もなかった環境と状況。


だけど、私たちは出会っちゃったし好きになっちゃった。


今更別れなきゃならないなんて、そんなの辛すぎるよ…。



「心配すんなよ。
俺はお前の所にずっといるさ。
たとえ離れたとしても、必ず戻って来る…」



じっと私を見つめる強盗さん。

私も涙で歪んだ強盗さんを見つめる。


そっと目を閉じると溜まった涙がポロとこぼれ落ち、同時に2人の唇が合わさった。



愛してる。

たとえ犯罪者でも、私は強盗さんを心から愛してる。



くるまった毛布の中で、強盗さんが私の胸に優しく触れた。



「…また、していいか?」



「んー…
まだちょっと痛いんだけど…」



「そっか。じゃ今はいいや。
…あー、何か喉が渇いたな」



「あ。じゃあ私、お茶入れるね」



私は毛布から出ると、ベッドの下に落ちた服を着てお茶の支度をした。



一緒に居るって言ってくれたんだ。


だから私は…安心していた。