「…なのに、結局金は置いて来ちまったし、強盗罪に誘拐罪に強姦罪。
罪ばっかり重ねちまったなぁ…」




「強姦罪は…違うよぉ。
だって、ちゃんとやめてくれたじゃない。
て言うか…どうしてやめてくれたの?」



「やめない方が良かったか?」



「そういうわけじゃないけど!
普通やめてって言ってもやめなくない?あんな時って」




私が最初に小屋に連れて来られたのが強盗さんじゃなくて南だったら、私は間違いなくやられてたと思う。


昨日の南の時だって、強盗さんが助けてくれたから助かっただけだもんね。



「普通は…な。
何かお前の泣く面見てたら…とことん自分が最低な人間に思えてな…。
結局俺も、ワルになりきれてねぇってわけだ」


そうだね。
強盗さんは根が悪い人なんかじゃないんだもん。

本当は優しくて気立てがいいって事、私はちゃんと知ってるよ。