3億円のキケンな恋

「強盗…さん…」




まさか抱きしめられるとは思わなかった。


むしろ、うぜえって言って突き飛ばされたのかと思った。



強盗さんは私の背中に手をまわしてギュウッと抱き寄せたのだ。



「…何やってもダメだった俺の、どこがいいんだか。
やっぱりお前、おかしい奴だな」



「…おかしくないよ。
ね、そろそろお湯がいっぱいになってるよ。
止めに行かなきゃ」



嬉しいんだけど、ギュッと抱きしめている強盗さんの背中をポンポンと叩く。



「…はぁ…眠みぃ…」



あれ?

抱きしめてくれていたんじゃなくて、もたれていただけ?


考えてみたら、強盗さんは昨夜まともに寝てないんだろうなぁ。



「ほら、先にお風呂入って汚れ落とそうよ。
私たち、多分スッゴく汚いよ」



「そうだな…。
じゃ、一緒に入るか?」



「えぇっ?
それはダメェ!!」



私が真っ赤になって否定すると、強盗さんはクックと笑った。