3億円のキケンな恋

「チッ」



体勢を崩し私の身体に覆い被さった事にバツの悪さを感じたのか、茶髪の強盗犯は舌打ちすると起き上がり再び銃口を向けて座り直した。


その後もスピードを出したまま急カーブをしたりと相当な荒運転をし、車はどんどん細く淋しい道を走って行った。



もともと知らない町に越したばかりなのだ。

窓を覗いて見ても、もうすっかり私の知らない場所を走っている。



知らないどころか町並みから外れ、もう山道と言っていい。


どんどん私は血の気が引いていくのがわかった。


こんな所に連れて来られて、無事に帰れる筈がない。

さっきまでは強盗犯に無事に逃げてほしいと思っていたけど、今は早く警察に捕まって私を助けてほしいと心の底から願っていた…。






山道をどんどん進む中、かすかにパトカーのサイレンの音が聞こえた気がした。



「…ついて来てるな…。
あと少しだってのに」



茶髪の強盗犯が、私に銃口を向けたまま窓の外に顔を向けて警察を確認している。


すると、車は急にブレーキを踏み、その勢いを止めた。



「…ケーサツは俺がちょっくら撒いてきてやる。お前らはもうここから歩いて行きな」