3億円のキケンな恋

「はっ、通報ね。したきゃしてみろよ。
俺は絶対捕まったりしねーよ」



そう言って強盗さんは口角を上げニヤリと余裕の笑みで私を見返した。


違う。本当に通報する気なんてない。


ただ私は…強盗さんと別れたくないだけ…!



「ほら、早くしねぇとまた青になっちまうだろ」



「イヤ!降りない!」



「はぁ?」



「イヤよ!
だって降りたらもう強盗さんと会えなくなるんだもん!!」



…何を言ってるの、私。

会えなくて当たり前なのに。


強盗さんは銀行強盗をして尚且つ私を誘拐までした犯罪者。



一緒に居ていいわけがないじゃない。


でも…!



「強盗さんとずっと一緒に居たいの!
だって私、強盗さんの事…好き、だから……!」



信号で止まっていた前の車が、発進しだした。


いつの間にか信号が青になっていたんだ。



だけど、お互いの顔を見ていた私たちは後ろの車のクラクションが鳴るまで、信号が変わった事には気が付かなかった。