3億円のキケンな恋

強盗さんはカギを差し込みエンジンをかけた。



それから車の向きを変えて山の道を下って行く。


帰れる!
ようやく家に帰れるんだ!!



車に揺られ窓から木ばっかりの景色を見ながら、これまであった事を考えていた。



家から出て何日経ったんだっけ。


もう帰れないかと思った。

もしかしたら殺されてしまうと思った。

いっそ…死んでしまいたいとさえ考えた。



だけど、いよいよ私も本当に帰れるんだ…。



嬉しい!

…という思いと、ちょっと淋しい…て思いが…私の胸の中にある。



突如銀行を襲い、大金を強盗した彼との生活。


最初はスゴく怖かった。

誘拐されたなんて生まれて初めてだし、それでなくとも住み慣れない町並み。


初めての勤務を控えた日に、まさかそんな事が起こるなんて思わないじゃない?


本当に、不安でいっぱいだった。


…最初は。