3億円のキケンな恋

「うゎ…っ!」



まさか私が体当たりなんてしてくるなんて思わなかったんだろう。

強盗さんを刺す事に意識が集中していて、私の動きなんか視野に入らなかったんだろうな。


バランスを取る脚に衝撃を受けた南は、案の定態勢を崩した。


身体が斜めになり、私と一緒に倒れる形になる。



「…ぐっ」



と思っていたが、南は足を踏ん張って倒れるのに耐えた。


手足を塞がれた私だけが支えがないので床に倒れる。



「お前…っ!」



「…っ」



南の矛先が私に向けられた。

振り上げたナイフが私の真上に来る。



床に倒れたまますぐに逃げる事も出来ない。


私に邪魔された南の怒りが、殺意に変わって私にナイフが振り下ろされた。



「ぃやぁあぁぁ!!」



目をつむり、私は南のナイフに刺される事を覚悟した。





…しかし、なかなか私の身にナイフの衝撃は来なかった。