3億円のキケンな恋

「お前、名前は何て言うんだ?」



南は私に名前を訊いてきた。


何を今更…。

散々私の訴えには無視をしてきた癖に!


私は口をグッと閉じて、だんまりを決め込んだ。



「何だ、俺の質問には応えないつもりか?」



持っていたナイフの背を私の頬にちょんちょんと当てながら南は言った。


怖い!
本当はものすごく怖いんだけど、これだと逆に何も言えなくなってくる。

顔に感じた冷たい金属の感触にビクビクしながら目を閉じていた。



「ほんっとかわいくねぇな。名前も言えねぇのかよ。
そんなに口を閉じてるのが好きなら、俺が開かせてやろうか」



南は頬に当てたナイフの背を首筋に滑らせた。


いつ刺されるのかと思ったら、ビクビクと震えさえ襲ってくる。


首筋を通ったナイフは更に私の胸の辺りまで下りてきた。


今から…何をしてくるつもりなんだろう…っ