小屋に戻った南は、またさっきと同じように毛布をかぶりながら壁にもたれて目を閉じた。



「あの…」



私の声に、面倒くさそうに目を開けた。



「もう1枚の毛布…分けてよ。
寒くって…」



ずっと耐えていたけど、やっぱり寒いものは寒い。

2枚あるなら、もう1枚くらい貸してくれたっていいじゃない?


ところが、プライドを捨ててお願いしたってのに、南はまた目を閉じてしまった。



…え、なに無視って事?

信じらんない!


聞こえなかったわけないと思う。

私がお腹空いた時だって全く気にかけてくれなかった。



うう~っ

何なのよ南の奴!!



壁の隅に置いてある毛布の方へ、私は身体を引きずりながら向かった。



…何だか寒くて、トイレにも行きたくなってきた。


水分だってそんなに取ってないとはいえ、朝からずっと行ってない。


だけど、この調子じゃトイレだって行かせてくれないに決まってる。



…辛い。

辛すぎるよ、強盗さぁん。