南は壁にもたれるように、目をつむって休んだ。


手にはナイフ。

すぐ側には大金の入ったリュック。



今何時なのか私にはわからないけど、休めるうちに休むってわけなのね。



縛られたロープの腕や膝をグイグイッと動かしてみたけど、全く外れる様子はなかった。


やっぱりダメ…かぁ。

南の持ってるナイフで切るしか方法はない。


でも後ろ手の自分じゃナイフは扱えないよ…。



諦めた私は南と同じように、壁にもたれながら身体を休めた。


眠いわけじゃないけど目を閉じる。



今頃…強盗さんはどうしてるかな。


もううちの本屋さんの所まで着いただろうか。


スペアキーを使って車の中に落ちてるケータイを取りに行くなんて…。

人の車を勝手に開けるだけでも犯罪だよ。


誰かに見つかって捕まったりしたら…。


私は強盗さんが心配で、夜は更けていってもなかなか寝付く事は出来なかった。




そのまま時間ばかり経っていき、そして日をまたぐ…。