そのまま時間だけがどんどん経ち、小屋の中のランプの灯りだけが視界を照らした。


ランプだけの暗いオレンジ色の光。



南は食べ終わると、床にしわくちゃに放置された毛布を拾い、身体にまとってリュックの側に座った。



…4月上旬の夜、私だって寒いんだから!


私は少しでも暖を取ろうと、なるべく身体を縮こませた。


昨夜の強盗さんだったらパンもくれたり毛布もかけてくれたりしたのにっ。


…あ。でも、してくれないのが犯罪者なら普通なのかな。


そう考えると…強盗さんは、スゴく優しかったなぁ。

口は悪かったけど、きっと不器用なだけなんだよ。





「…さて。俺は休むが、変な真似したら早く死ぬ事になると思えよ」


そう言って南はナイフの刃をギラッと私に見せた。


もともと拳銃が偽物だったのだ。

凶器と言ったらこのナイフだけなんだわ。


…て言うか、それ強盗さんの私物だったんじゃないの?

あたかも自分の物みたいにしちゃってるけど。


私はとことん南に腹が立ってきた。