3億円のキケンな恋

「じゃ、これが車の鍵、そしてこっちがワゴン車の方のスペアキーだ」


南は強盗さんに2つの車の鍵を渡した。



「ここを真っすぐ下りた辺りに俺の車が置いてある」



鍵を受け取り、黙ったまま強盗さんは小屋のドアを開けて外に出た。


外はすっかりオレンジ色に染まっていた。


時間はわからないけど、恐らく17時は過ぎているだろう。



「明日の昼までに戻らなければ、お前は逃げたものと判断させてもらうからな」



「…勝手にしろ」



強盗さんは小屋から離れ、1人山をおりて行った。


足取りは何だかおぼつかない。


そうよ、まだ体調が悪い筈だもの。


なのに南の奴ったら!





強盗さんの姿はどんどん小さくなり、やがて見えなくなった。


強盗さんは…南から失った信用と、強盗した大金を得る為に行ってしまった。



…私は強盗さんの人質だったのに、更に南の人質にもなってしまった。