とにかく
泣いて泣いて
車から降りても歩けない
唯愛ちゃんを
抱きかかえて…
お姫様抱っこっていうのかな?

リビングのソファまで
連れて行った。


涙が止まらない唯愛ちゃんの
頭をなでながら
ボクは、
かぁさんが戻ってくるまで
ただ抱きしめて待っていた。


「 寿弥、何があったの? 」


「 今、そこの交差点で
ボクの前の車が事故って。
ボクも慌てて急ブレーキかけたから、
どこもぶつけてないけど、
目の前の事故で
ビックリして泣いているんだよ。 」


ボクの腕の中で
背中を震わせていて
ただ涙が溢れている。