「…ありがとう…ございます…」 「よかった。見つかって。」 日野先輩はふぅっと溜息をついた。 太陽を見つめ、ふっと微笑む。 「じゃあ、マラソンに戻るね。 もう、大丈夫?」 そう言って、 あたしの頬についてる涙を ゆっくりふいた。 「…大丈夫…です。」 「うん。じゃあ、またね。」 日野先輩が背を向けると、 あたしは思わず立ち上がった。 深く頭を下げる。 「ありがとうございました…!」 日野先輩は、 あたしに思いっきり笑ってみせた。 日野先輩…。 どうしよう。 あたし…。