「えっ…」
瑠未は目を丸くすると、
恐る恐る相手に問った。
「…日野(ひの)先輩…?」
日野 幸多(ひの こうた)
高校3年生、そしてあたしの先輩。
面倒見が良くて、運動神経抜群。
それにイケメン!
…と、女子に大人気の先輩だ。
そんな先輩が、
最近、あたしに話しかけてくれる。
よくわかんないけど…。
「うん。…でも、
こんな時間にどうして…?」
「ひ、日野先輩こそ!
あたしはいつも遅刻してますし…。
そ、その、日野先輩はいつも
時間通りに登校してますし…。
め、珍しいですね…。」
あ、そうだ。
あたし、日野先輩には
心開いてるんだった。
優しいし、
いつも気をつかってくれて…。
す、好きとか
そういう意味じゃなくて!

