*春待つ疑問符*

「君たち、他で遊んできな?」

田口君が言う。

「今日はおまわりさんごっこの日なの!」

ヒロ君が言う。

「君たち…」

そう言う田口君を僕ら4人はじっと見つめた。

「この子は役場に勤めている市ノ瀬さんちのタマキ君、いつも黒のランドセルを背負って道草はもっぱら田んぼ。」

瀬戸先輩が話し始める。

「こっちは酒屋の長谷部さんちのカズマ君、茶色の…カブトムシカラーのランドセルで、おうちの手伝いをよくしてるね。」

田口君は黙って聞いてる。

「この子は片瀬さんちのヒロ君。お父さんが隣街の新聞社にお勤めで、お兄ちゃんと同じ野球好き。黄緑のランドセルがよく目立つ!」

ヒロ君が照れてる。

「で、タクミ君は森谷さんちの次男坊。水色のランドセルが入り口によく落ちてる飲食店の3兄弟。」

瀬戸先輩の説明が終わる。

「わかった?」

僕ら4人は声をそろえて言った。