*春待つ疑問符*

僕の質問のほとんどは、ちゃんと答えが返って来ていない気がする。

でも、なんだかそれは、知らなくてもいいような、そのうち分かるようなそんな答えだからかなぁ。

もう一度質問するほど、知りたいわけでもなく、眠れないほど、重要でもなく。


お父さんとハル先生の会話は、いつしかまた、遅刻についてだった。


「今日はなんだか皆さんに、タマキに助けられた感じでしたけど、初日から遅刻なんてホント、信用なくしますよね。」

ハル先生が言った。

「そうだなぁ、いや、ごめん。
でも、失敗は誰にでもある。
たった一度の失敗、されど一度の失敗。難しいよね。
今日の場合、第一印象が“遅刻”ではなく、タマキを見つけてくれた“ヒーロー”だったから救われたよね…なんだ?タマキ。」

僕のおかげ?

「タマキは反省しなさい!」

ちぇっ!

「遅刻はダメです、時間は守りましょうなんて教える側なのに、ホント、失敗しました。」

ハル先生は反省してるみたいだ。

「まぁまぁ、失敗したら次、どうするかだよ。幸い、この街のみんなは心が広い。今日の事だけでハルトくんを知ったつもりにはならないよ。
それに、子ども達はみんな既になついている様だしね。」


お父さんは語る。
お母さんは頷く。
僕は眠い…