*春待つ疑問符*

先生が僕らの名前を呼び終えると、“僕らを歓迎する歌”を上級生が歌ってくれた。

6年生が3人、5年生が2人、
4年生が4人、3年生が3人、
そして、たった1人の2年生が。


入学式が終わると、初めて教室での僕らと先生だけの時間があった。

僕らは席につくと、
先生に興味津々なまなざしをおくった。

先生は笑って、

「わかりやすい奴らだなぁ!」

と言うと、

「質問タ〜イム!!」

と叫んだ。

「どうしてそんな髪の色なの?」
「どうして3つもピアスしてるの?」
「どこからきたの?」

みんなが一斉に質問した。
その質問に、僕が答えた。
嘘が混じっているとも知らずに、僕は得意げに答えた。

「そうなんだぁ〜」

みんなが疑いもせず納得する様子に、先生は笑いをこらえきれなかったみたいだ。

「ごめん、ごめん!東京からきた以外は…冗談!」

得意げに答えた僕はバカみたいじゃないか…

「ごめん、ごめん!タマキ、悪かったよ〜」

先生は僕の頭をガシガシなでて、謝った。

せっかくキヨちゃんちでキメた髪が台無しだったけど、子どもの僕にそこまでのオシャレ意識はなく、僕の寝起きみたいになった髪型はしばらくそのままだった。