私の隣、アイツの隣


「ねえねえ見てよ!」


またダルい1日が始まる。

そう思っていたある朝。

いつになくはしゃいだ彩妃があたしたちの元へ駆けてきた。


「どうしたの、そんなに慌てて」

「さっき、駅の改札の近くに貼ってあったポスター、見たんだけど」

息を切らしながら話し始める。

「こんなものが!」



勢いよくポケットから出したケータイの画面を見せる。



「…写メ?」

「書いてあること読んでみて!」


恵璃と同じように顔を近づけた。


「『ついに全県ツアー決定』?」

「『話題の5人組バンドが…』って、ええ!?まさか!?」


目をキラキラさせる彩妃。


「そう!UVERworldだよ!!」

「まじでっ!?」



クラス全員がこっちを見るくらいの大声で恵璃が叫ぶ。

でもUVERworldの大ファンなあたしたちは、黙ってなんかいられない。


「全県ってことはさ、ここも来るってこと?」

「でしょ!」

「ええーっ」