大通りを抜けて少し東に進んだ高い塀に囲まれた閑静な場所。

ひときわ大きな立派な洋館に先ほどの少年が客を連れて入って行った。

閉鎖的な雰囲気がとても入りにくく出入り口かとおもわれる扉の前をウロウロとしていると後ろから声をかけられた。


おや、お客さん見ない顔ですね。よくこの店の場所がわかりましたね

振り返ると17、8歳くらいの少年が穏やかな笑顔で話し掛けてきた。


確かに始めてきたのに隠れ家的な店を見付けるのは不自然。

なんとか平然を装いながら適当な理由を見つけなければ。

生まれつき嘘がつけない性分、嘘が軽く見破られるのは度々の事。