「別れよう……」





夢だと思った。




夢であって欲しかった。





頬を何度つねっても痛さが増すだけだった。




夢じゃない。



現実。




「……何で?」




帰ってから、翔君に話しがあると言われた。



てっきり、篠田さんの事だと思った。




じゃなかったら……あの噂の事かなと。




何で突然、別れ話なの?





「好きな人ができた。だからゴメン」



「えっ……?意味分かんない」



「そのままだよ。ここは、ちゃんと出て行くから」




話しがとんとん拍子に進み過ぎてて……



何も考えられない。





「もしかして、あの噂……信じてるの?」



「……俺には、もう関係ない」



「私、まだ別れるって言ってない!!」





涙声で自分でも何て言ってるのか分からない。