「夏希…」



翔君の部屋に入ったと同時に抱きしめられた。




「翔君…?」



「いい加減、翔って呼べよ」



「翔…」




そのまま、ベッドに押し倒された。



ごく自然に……




全然、嫌じゃない……



翔君のキスが降りてくる。




やっぱり優しい。



すごく。




「夏希……好きだ」




私も……。






って……………




えっ!!!



今、何て??




私がパニックに陥ってるなんて、気づきもしないで翔君は物事を進めてる。



聞き間違い??




それとも……嘘??



ほんの一時の感情?




確かめられずにはいられない。




「ちょっと待って!!」



勢いよく起き上がる。




「やっぱり怖い?」



翔君が優しく問いかけてくれる。




「そうじゃなくて…今…好きって…」



「あぁ…。こんな、どさくさまぎれに言うつもりはなかったんだけど…」




私ってバカかな?


さっぱり話しが分からないんだけど……




「好きって……誰を?」


「夏希」



「誰が?」


「俺が」