翔君は、裾を掴んでた私の手を自分の手に絡めた。




それが、あまりにも自然で……



ずっと、手を繋いでた感覚に襲われた。




観覧車まで、手を繋いで来た2人。



担当の人に、お金を渡す。




同時に、2人の手も離れる。



観覧車に乗った時は、もう手を繋いではくれなかった。




向かい合って座る。



微妙な沈黙に耐えきれなくなって、外の景色に目をやる。




「夏希と観覧車、初めてだよな?」



「うん…」




急に話しかけられて一瞬、ドキッとした。



「夏希って…髪長かったよな?何で切ったの?」





何でって……翔君がショートが好きだって聞いたから。




………なんて言えないし。





「ん~…イメチェン?」



「ふ~ん…」




って、それだけ??




かと思ったら……





「俺のためかと思った…」




えっ……??



「俺、ショート好きだし」




あまりにも図星すぎて、翔君から目が離せない。



翔君も私の目を、真っ直ぐ見つめてる。



そうだって言ったら……




何て言ってくれる?