その瞬間、背中がゾゾッとしたわよ。
好きでもない男の息が耳にかかるなんて…!
思わず、手で耳を塞ぐ。
これ以上この男と一緒にいて、
挙句の果て、バージン奪われるなんてなったらあり得ない!!
あたしはなんとか逃げようと頑張っていた。
こんなことなら愛想笑いもせずに、無言を貫き通せばよかった~!!
「あの、すみません。明日は朝から用事があるので帰ります」
「そんなこと言わずにさぁ…」
「ホントに、あの」
「いい雰囲気のバーを知ってるんだ」
男は強引にあたしの肩を引き寄せ、皆とは違う方に向かった。
しかも、勝手に他のメンバーに「二人で飲みに行くから」なんて言ってるし!
「ちょっと、本当に困り…」
ます、と言いながら、男を押しのけようとした時、
「おい、嫌がってるだろ」



