誰もいない中庭に、人影。 この時期は綺麗に並んだ桜の木が見ものだ。 その桜の木の下に、誰かいる…。 あたしがその姿を見ようと、 その人影に向かって足を踏み出した時だった。 「わっ…」 急な突風がふき、あたしは思わず顔を腕でおおった。