■ 「はあ゛あ゛ああ……」 「どしたの、杏奈」 まるで唸り声のようなあたしのため息を聞いて、隣にいた弥生が笑う。 神崎弥生。 あたしの幼馴染で、黒髪ロングの美人さん。 弥生は可愛いっていうか綺麗系ですごく大人びている。 あたしと並んだらそれこそ美人コンビだ。 「んー…なんかほんっと今日疲れた。」 あの爽やか美少年の本当のカオを見たあたしは、スカートを直して猛スピードで走った。 どこに向かってたわけじゃなく、とにかく走った。 あの最低野郎への苛立ちが爆発しそうだったしね。