杏奈はよくこの図書館に現れる。
短大の近くにあり、通いやすいのだ。

何度目かの大きなため息をつきかかとをついた



後もう少しで届くのに…
次で駄目だったら脚立を持ってこよう…
重いねんけどなぁ…



そう思いながら深呼吸をして背を伸ばす
本の下部にかろうじて届いたがすぐにバランスを崩して盛大にこけてしまい、その弾みで本が落ちて散らばる。

そこに欲しかった本はない


あぁ…やっちゃった…
悔しくて杏奈は座り込んでしまった。






どうしてこんな簡単なことができないんだろう…?