泡沫のキス





あぁ、静かな場所に行きたい。

きゃーきゃーうるさい、こんな所じゃなくて。

静かな場所に行きたい、切実に。



「はぁー…」


思わず小さな溜め息が出た。

私の前を胡散臭い笑顔を顔にくっ付け、手を振る彼の背中を、軽く睨んでしまう。



「ねぇ、」

いきなり振り向かれたせいで、私の顔は彼を睨んだまま。

相当いやそうな顔をしてるだろうな、自分でも分かるほどに。


彼はまた、少し悲しげな笑顔を浮かべて。

「マリア、どうしてそんな顔するの?」