「俺、母さんに捨てられたんだ」 ふっと自分を嘲る様に、笑いながら言った。 その時の瞳は、暗い海の底の様な寂しくて悲しくてこっちまで切なくなる様な寂しい瞳だった。 その言葉を聞いて普通だったら皆は驚くだろうが私は違かった。 それどころか、私にちょっぴり似てるなあって思ってしまった。 「これ、言って驚かなかった奴2人目だ」 逆にこいつが驚いていた。 「私、以外にもいたんだ。」 「あぁ、廉がな。」 ふーん・・・ なんか、納得ね。 表情一つ変えなさそう。 そして間を置いて、また口を開いた。