「ええぇっ!!なんでここにいるんですか!?!?」
「廉に連れて来いって頼まれちゃってね~。だから僕と一緒について来てっ!!」
無理無理無理・・
今は私が如月綾香って事がバレてないからいいけど、もし・・バレたら八つ裂きにされる!!
この人についていったら私の命が危ないわ!!
「これからちょっと用事が・・」
「ふふっ、綾乃ちゃんは面白いこと言うんだね♪」
いや、私全然面白いこと言ってないんですけど。
可愛い顔してるのに何故か黒い笑みにいつの間にかなってるんですけど。
「行こ?」
そう言って私の腕を掴み私は引きずるように引っ張られて行く。
い~や~だ~よ~!!!!
可愛い顔した悪魔は意外にもかなり力が強く抵抗する事が出来ず、とうとうボロアパートにはどう考えても似合わない傷ひとつ無い高級車に強引に乗せられた。
リムジン・・す、すごい。
私の部屋より大きい車内はまるで高級ホテルの様な内装だった。
「ゆっくりしてて、すぐ着くから」
忘れてた拉致されてた事。
陸くんは運転席に座っていた人に何か合図を送ると車は発車し始めた。
いかにも、高級車らしく静かに、かつスピーディーに。



