「アリス・・壊れちゃった」 お兄ちゃんは私が抱き締めていたアリスに目を写した。 「・・・!?誰がこんなこと・・・」 「ねえ、お兄ちゃん。お父さんとお母さんはどこにいるの?」 「・・・」 「ねえ・・教えてよ・・?ねえ!!」 私の、お父さんとお母さんが既にこの世にいないことはもちろん解っている。 こんなこと言っても、ただたんにお兄ちゃんを困らすだけ。 お兄ちゃんは何も言わず悲しい瞳で私を見ている。