「「3、2、1!」」
キーンコーンカーンコーン。
「よっしゃ~、ぴったり!」
「腹へった~。」
男子達のカウントダウンで、授業が終わった。
「やっと数学が終わったよ~。あー!お腹空いた!!」
この人は、私の親友の石井綾香。
綾香とは今年知り合ったばかりだけど、すぐに意気投合して、今では凄く仲が良い。
さっぱりとした性格で、スタイルが良くて、美人さんだ。
「ほら、梨沙!ご飯の時間だよ…って!ちょっと、何寝てるのさ!」
『ん~…。ふぁ~あ!せっかく気持ちよく寝てたのにー!あれ、もう数学終わったの?』
そして私は、山瀬梨沙。勉強は大の苦手な、ちょっとおバカな中学生。
「もー!あんた、どんだけ寝てるのよ!この前も寝てたじゃ…」
『あーもー、ごめんごめん!それより、お腹空いてるんでしょ?早く食べようよ、ほらほら!』
「あんたねー。」
『いっただっきま~す!』
「あ、ちょっと!待ちなさいよ!まったくもう…。いただきます。」
ふう、危なかった。綾香はいつも説教が長いから、うまく話をそらせて良かった~。
「梨沙、今うまく話をそらせたと思ったでしょ!」
『ギクッ』
「そうは行かないんだから。あんたはいつもそうやって…。」
あーあ、始まっちゃった。
それから、食後の休み時間になるまでずっと綾香の説教が続いた事は、言うまでもない。
