「でも、まだ半分猫みたいな感じだし。」 僕はそう言って、猫耳を引っ張ってみた。 「だから難しいんじゃん。人間は食べてもいいけど、猫は食べちゃいけない物もあるんだから。」 そうなんだ。 「たとえば何〜?」 「えっ?た、確か、チョコレートとか玉ねぎとか……。」 チョコレートも玉ねぎも、今の僕にはどんな食べ物かは分からないけど、 いつかは食べられるようになって、杏と一緒に普通の人間として過ごしていきたいと思ったんだよ。