「……コウ。起きて。」




杏のそんな声で目を開けると、僕と杏は眩しい陽射しに包まれていた。




「……朝まで寝ちゃったみたいだね。」




……よかった。いつもの杏だ。




「……僕、お腹空いちゃった。」




「そうだね。ご飯にしよっか。」




杏はそう言うとベッドから出た。




「そういえば、コウのご飯どうしよ……?」




「僕のご飯?」




「うん。まさかこれじゃダメだよね?」




杏はそう言いながら、僕と一緒に買ったキャットフードを手にとった。




「……どうして?僕、それでいいよ?」




……どうしてキャットフードじゃダメなんだろ?




「だってコウは人間でしょ?キャットフードは猫の食べ物だし……」




……ふーん。やっぱり人間って難しいなぁ。