そうだ!これは夢なんだ。 うん。猫が人間になるなんて、あり得ないもんね。 私はそう思って、思い切り頬をつねってみた。 「杏ー?何してるの?」 「これは夢なんだ……コウが人間になるなんて。」 「何言ってるんだよー。僕は本当にコウだってば。」 彼はそう言って、私のことを改めて抱き締めた。 「好きだよー!僕、人間になって、今度は抱き締めてみたかったにゃ!」 ……ここにきての、語尾がにゃ? ……どうやら本当に、彼はコウらしい。