「……コウ?」 「……よかった。ちゃんと覚えててくれたんだね。」 私の目の前には、私の大切な人が立っていた。 でも猫耳も、黒い尻尾ももうない。 「……どうして?」 「……杏のところに戻りたくて、戻りたくて。今度は本当の人間に生まれ変わったんだ。でもなかなか、杏のところに来られなくて……」 私はコウの言葉を遮るように、コウの胸に飛び込んだ。