「広いな、杏の大学。」 「そうでもないよ。」 私は亮と少し隙間を開けて、隣に腰を下ろした。 「あれから、コウくんはどう?」 「……どうって?」 「何か変わったことはない?」 私はその言葉に、少し前のコウを思い出した。 「……亮のせいで、随分辛い思いをしたみたい。」 「そっか。」 亮はたった一言で片づけてしまった。