「……僕は杏に拾われてきた猫だった。」 「……何言ってんの?」 彼は、僕の言葉を信じていないみたい。 そりゃそっか。 「耳だけじゃない。尻尾もあるよ。信じられないなら見せようか?」 「……いや、いい。とりあえず、今はその話を信じて聞いてやる。」 「ありがとう。」 僕はそう言って彼を見て笑った。