「……そういえば、さっきから気になってるんだけど。」 亮がしばらくして、徐に言いだした。 「コウくんはどうして部屋の中で帽子をかぶってるの?」 私はその質問に思わずどきっとした。 ……どう答えよう? まさか猫耳が生えてるなんて言えないし…… 大家さんの時みたいにコスプレで押し通すには限界があるし…… 私はなす術がなく俯いてしまった。 「これ?」 そんなとき、私を歯牙にもかけない様子のかわいらしい声が隣から聞こえた。