そのなかで、あるものをじっと睨み付ける女子高生。
彼女の見つめる先にあるのは
綺麗にラッピングされた手作りのパンプキンプリン
時間があったから、友達のついでに。
…本当は、彼にあげるためにと作ったハロウィンのお菓子。
でも、いざとなると
恥ずかしさや、その他の要らない感情が邪魔をする。
「やっぱり。わたせない」
明日もし、これを渡せたとしても、彼の気持ちが私の方へ向く訳じゃない。
そう考えると、
可愛い包装紙もキラキラのリボンも、
無駄に張り切ったラッピングがやけに虚しく思えて
いっそ自分で食べてしまおうか
そんな思いが出てきたのだ。
そうこう考えることはや数分。