グッっと引っ張られた。

突然の出来事に体は対処できず前のめり

になった。

「・・・ふ、不意打ちなんて卑怯じゃ

ん・・・。仕返し・・・。」

林檎からのキス。

一瞬意味がわからなかった。

何が起こったのかもわからなかった。

ただただ残るのは

唇のぬくもりだけだった。


ああ好きだ。


心の中から体にあふれる。

温かい気持ち。

林檎はゆっくり落ち着いて

少し微笑みながら

優しく好きと俺に告げた。

信じられないの一言だった。

まっすぐ揺るぎない瞳で

俺を見つめる林檎。

現実なのか・・・。一瞬疑った。

夢か?これは夢なのか?

いや、違う・・・。現実だ・・・。

好きだと言われても全然実感がわかな

かった。少し考えて、やっと喜びが

こみ上げてきた。嬉しすぎて全身に血が

回る。多分、顔は真っ赤だ。

そして俺は林檎にあるお願いをした。

「・・・キ、キスしてもいいか・・・?」

そうすると林檎はボッと顔を赤らめた。

無理無理いうから拗ねて見せると仕方な

さそうに一回だけと言ってキスさせてく

れた。赤くなった。林檎が赤くなった。

クソ・・・。time overした時には、

たっぷりいじめてやろうと思ったけど

こんな可愛い顔されたら出来ねぇじゃ

ねぇか・・・。この次は・・・。

覚えとけよ・・・。