「・・・なっ、なんでアンタが泣いて

んのよ・・・。」

「はあ?泣いてる?はっ?あれ、俺な

んで泣いてるんだ・・・?」

なんか、こっちが悪者みたい・・・。

今まで、散々嫌がらせされたのに、

なんで。

なんでこの場から立ち去れないの?

なんで胸が痛くなるの?

どうして君は泣いているの?

「よ、呼び止めたのは出来心。

早く行っちまえよ・・・。」

「ねぇ、なんで泣いてんの?

しかも、今。なんでキスしたの?」

「うるせぇよ、何でもねぇよ・・・

。」

「何でもないのに泣いてんの?アタ

シが泣かしたみたいでしょ・・・。」

「・・・。いいから・・・。」

「ねぇ、何でさ?」

「・・・もう放っとけって・・・。」

「いってよ。気分悪いから。ねぇ

何?どうしたの?」

グッ・・・。

またしても、私の唇は奪われた。

涙の味がした。

しょっぱくて・・・。でも

少し甘かった。

さっきより

深く、強く。

アイツは愛を求めているように

見えた。

「・・っふぁ・・んっ・・ちょっ・

はっ・・ふ・んんっ」

私は我に返ってあわてて突き放そう

としたが、包み込むようにアイツの

腕の中に閉じ込められてしまった。

ようやく開放されたと思ったら

「・・・好きだ・・・。」

静かに声が誰もいない教室に響いた。