「マジで!?ありえないだろ。」

俺はパタパタと宙に浮いているを彼女を見てもまだ信じることができなかった。

「まぁ、そう言われましても天使は天使ですなんです。」

そういって彼女は羽根を広げた。

「…天使が俺に何のようだよ!」

「うう…。落ち着いてください。私はあなたにチャンスを与えにきたんです。」

「チャンス?どういうことだよ。」

「…ちょっと待ってください。なんか怖いです。子供相手にもう少し優しくできないんですか?」

彼女は羽根が生えてる以外は幼稚園児に見える。が、天使と名乗る以上は落ち着いてはいられない。

「…天使が俺に何のよう?」

「言ったでしょ。チャンスを与えにきたと。あなたの人生が大きく変わるチャンスです。」

彼女は俺がなけなしの金でやっと買えた大型ソファーの上を楽しそうに跳びはねてながら話し始めた。

「あなた、後悔ばっかりしてますよね?無理もないです。あなたが今までの人生の中で大きく運命を変える分岐点が全部で109回あったんです。その時にあなたが選んだ選択が見事に全てマイナスに進む道ばかりを選んだのだから。」

「…えっ?109回も?俺の人生が変わるくらいの分岐点なんて高校や大学、就活のときくらいだろ!?そんなにあってたまるもんか!」

「あなたが思ってるほど人生ってそんな単純じゃないんです。特に三つ子の魂100までって言うくらい小さいころに分岐点は多いんです。小さい頃はいろんな影響を受けるでしょ?その時の環境や周りの人、友達によって運命や性格が大きく変わるんです。」

彼女はそう言って立ち上がり得意気に彼女の身体の2倍はあるであろう大きな分厚い本を取り出した。