涙がこぼれ落ちる、その前に。

その表情に胸がくるしくなり、涙が溜まる。




自分が、別れるって言ったくせに……。




そう思いながら、あたしは席を立ち教室をでた。




意味もなく階段を駆け登る。




そして他学年の階にきて、座りこみ、ため息を一つ。




不思議なことに、
さっきまでの涙は出てこなかった。




その代わり、なぜかずっと彼の名前を呼んでいた。




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少し落ち着いて、帰ろうと思った時、重大なことに気づく。




教室に鞄を置いたまま。




あんま行きたくない…、けど、もうさすがにいないか。




そう信じて、教室に向かった。