なのに誰かに告白されても受け入れる気になれず、必ず彼の顔が浮かぶ。




あたしはまだ彼のことが好きなのだろうか……。




ため息をひとつつき、今度は桜に目を向けた。




綺麗とか、そういうことをなにも感じない。




あたしはそんな桜の前で立ち止まり訳もなく問い掛ける。




彼はあたしのことなんて記憶にないのか、…と。




そんなの、あるに決まってる。




ただ新しい恋人ができて、あたしに興味がなくなっただけ。




そう思った時、強く風が吹いた。