別れを選んだ俺でも、教室をでていく君についつい手が延びる。
もう少しで届きそうな時ハッとなり、延ばしていた手を引っ込めた。
俺は、別れを選んだんだ。
だから…これでいいんだ。
君に嫌われて、別れるなんて逆に好都合。
ただ少し…、胸が痛いだけ……。
俺しかいない教室は虚しすぎて、俺も帰ることにした。
すると、ふと後ろの席の鞄が目に入る。
忘れてってる……。
持っていこうか考えたけどやめた。
君はきっと俺に会いたくないだろう、なんていったって俺が嫌いなんだから。
でも、忘れていったら可哀相だし後でメールでもしておくか。
そう思って、教室を出た。

